TOT2012(Tokyo-Osaka-Tokyo) ④三重:四日市~大阪:梅田

2時間後、携帯のアラームで目を覚ます。Twitterをチェックすると、どうやら寝ている間にキクミミさん、ふぃりっぷさん、チャリモさんのパックに追い抜かれたらしい。そしてTOTコースに挑んでいた酔猫庵さんがパンクの神様に降臨されリタイヤ。さらにツイートを追いかけると・・・

  「東海道全体を雨雲が覆っている。。。みんな大丈夫かな。」
  「東京も雨になりました。明日にかけて天気は悪いみたいですね。皆さん気をつけて下さい。」

  
マジ?屋内にいるので全く気づかなかった。事前の予報では東海道全域、晴れ時々曇の予報だった。まさかこのタイミングで雨とは。ただ、天気予報を見ると数時間の内には雨雲が抜けそうだ。しかし完全に抜けるのは夜中の3時過ぎになりそう。現在21時半。さすがにそれまで止まっているわけにも行かない。


・・・行くか。

こんなこともあろうかと、前後の泥よけは付いている。スタート地点では自分以外に泥除けを付けていた人はいなかった。恐らく雨具を持っていたのも自分ひとり。このまま1000kmも余計な重量を運んだだけに終わるかと思ったが、ようやく活躍の舞台が巡ってきたわけだ。

正直雨天走行は得意ではない。しかし、せっかくの道具を試せるとあってワクワクしている自分も居た。まったくもってロングライドは格好の機材テストの場である。


22:20、小雨の降る中、マンガ喫茶を出発する。今回新調したレインジャケット、レインパンツの感触は良好だ。どちらも超軽量だが、ちゃんと雨具の役割を果たしている。買って正解だった。とりあえず前を走る3人に追いつくことを目標にペダルを回す。


信号で停まったタイミングで携帯を見ると、どうやらキクミミさんご一行は鈴鹿峠の手前に到着しているようだ。しかし・・・


  キクミミ「雨すげーよ コンビニから動けずTOT」
  ふぃりっぷ「目の前にあるルートインがおいでおいでって言ってる気がする」
  チャリモ「亀山雨宿りなう」

  

四日市は大して降っていない。この先が地獄ということか。


  ふぃりっぷ「ルートイン空き室ありませんでした…風呂も貸してくれず。外で凍えて寝ろってかー」
  
  
こんな山奥のビジネスホテルが満杯?・・・そうか、F1鈴鹿GPだ。この辺りの宿はF1の影響でどこも満杯らしい。結局彼ら3人は近くのコンビニで仮眠をすることにしたようだ。あの周辺で仮眠できそうなコンビニと言えば、ミニストップがある。きっとそこに行けば皆と合流できるはず。

雨脚は強くなってきたが、合流に向けて脚の回転数を上げる。凄い、ちゃんとした雨具を着れば雨でも不快感無く走れるんだ。雨は敬遠してきたが、これなら雨でも走れるかもしれない。・・・いや、もちろん晴れのほうがいいんだけども。

亀山バイパスは通らず、K28(旧東海道)を使用する。亀山バイパスは大阪→東京の向きでは路肩が広いのだが、逆向きは極端に路肩が狭い。旧道を通るほうが吉だ。大して時間も変わらないし。

亀山駅前を過ぎて、高速道路をくぐる。左手には先程話題に出てきたルートインが見える。確かに駐車場は車でいっぱいだった。今年からF1のTV放映はされていないが、それでも地域に及ぼす影響は絶大らしい。


00:25、ミニストップ亀山関木崎店到着(431km)。当初のプランだと、斜向かいのサークルKでの休憩予定だった。恐らくミニストップの方に皆居ると思い、店内へIN。・・・アレ、誰も居ないぞ・・・?イートインスペースはもぬけの殻。もう少し先の道の駅・関宿にも誰もいない。これはもう先に行ってしまったのかな?と思って携帯をチェックするも、


  キクミミ「雨で進めず、とりあえずあまやどりつつ仮眠します 本日の走行437km(-.-)zzZ」
  
  
という23:01のツイート以降、何の報告もない。

  「実はもう出発していて、自分を翻弄するための情報戦が繰り広げられているのか?!」
  
などと思い、必要な物だけ買って早々に鈴鹿峠に向けて出発。後から聞いた所、ご一行はこの時、夢のなかだったようだ。件のルートインの前にあるファミリーマートの屋外のベンチで寝ていたらしい。気温は13度、輪行袋にくるまっての仮眠だったとか・・・サバイバルだ。


さて、鈴鹿峠である。前回のキャノボでは特に辛くもなく登れたのだが、今回は何故かキツイ。強度も下げて、2時間寝たにもかかわらず、だ。体の芯が疲れている感じ。スタートから24時間が過ぎて疲労が一つのピークを迎えていたのかもしれない。えっちらおっちらと登っていると、不意に横の茂みが、


  ガサガサッ
  
  
と音を立てる。野犬か?鈴鹿峠に熊がいるという話は聞いたことがないけど怖いな・・・と思ったその時。


  ドドドドド
  
  
と、目の前を1~2メートルはある数匹の動物が横切っていった。・・・鹿!?さすが鈴「鹿」というだけあってか、未だに野生の鹿が大量に生息しているようだ。登りで良かった。下りで遭遇していたら落車は免れなかっただろう。夜の鈴鹿を越えるのは3度目だが、まさか鹿と出会うとは思わなかった。

鹿との遭遇で目が覚めた。が、今度襲ってきたのは低体温。気温は12度付近をウロウロしている。登りでも心拍が上がらず、体温が下がっているのが解る。400kmを越えるとコレがキツい。

結局34分掛かって登頂。キャノボの時より6分遅い。


  「イマココ:鈴鹿峠 http://t.co/FQJsAswy さてあと100km」
  
  
とツイートしておく。時刻は1:27。こんな夜中に何をやってるのだか。


前のジッパーを閉めて、下ハンドルを握って鈴鹿峠のダウンヒルに突入。雨で滑らないか心配だったが、路面はそこまで濡れていない。ただ、ものすごく寒い。体感気温は10度を切っている感じ。そしてロングライドで急に寒くなると訪れるのが眠気。これはヤバイと思い、土山まで下った所で対向車線のローソンへと逃げ込んだ。ここは大阪→東京キャノボで2回目の休憩で寄ったコンビニ。懐かしい。

おでんとホットカフェオレを買って、ほっと一息。しかしホットカフェオレを飲むとサコライド伊豆の思い出が頭を過るんだ・・・。ほんとあの日ほどホットドリンクを飲んだ日は無かったし。まぁ、寒いけどサコライド伊豆やフレッシュに比べたら大分マシだ。ストレッチをしてすっきりした所で出発する。


水口まで下ってくると大分人里っぽさが出てくる。そしてそろそろまたすれ違いイベント発生のはず。22時出発で大阪→東京キャノボをやっている日野ゲンスケさんが対向車線に現れるはずなのだ。ほどなくして、やたら明るい発光体が現れた。


  「がんばってください!」
  「はい!」

  
  
第3すれ違いイベント成功。先ほどまで強かった眠気もマシになった。


さて、水口を過ぎてからは本来とは違うルートを行く事に。計画段階では、昨年出来た新道路「栗東水口道路」を偵察するルートになっていた。しかし、この疲れで知らないルートを行くのは危険だと判断し、慣れ親しんだ東海道を行く事にする。EDGEさんが「ルート間違えてるぜ!」と五月蝿いが無視して先に進む。草津あたりでは深夜営業のラーメン屋に引き寄せられそうになったが我慢。


03:52、ローソン大津富士見台店に到着(490km地点)。本来なら大阪の守口市まで来てるはずの時間。マンガ喫茶でちょっと休みすぎたか。何故かTOT中なのにキャノボの言質を取ったりしていたしw ここのコンビニを休憩ポイントに選んだのは理由がある。前回の東京→大阪キャノボで、この店にはイートインスペースがあるのを知っていたのだ。ここでしばし仮眠だ!・・・と思ったら。


  ・・・イートインスペース撤去されてる・・・
  
  
ただただ無駄な広い空間がそこには残っていた。そりゃーないぜ。しかし、ここは最初に決めたチェックポイントの一つ。サポートカーが待っていてくれた。というわけで、サポートカーの中で15分ほど仮眠する。疲れは取れないが、眠気は飛ばせた。これで何とか大阪までは頑張れそうだ。



逢坂の関を越えて、京都にIN。今回は追分駅前からK35に入るルートは使わず、道なりにR1を行く。K35は意外とアップダウンがあってキツいのだ。深夜の時間帯に走るなら、多少信号は多くても平坦なK117を通るほうが得策である。六地蔵で右折し、観月橋から京都ショートカットルートへ。この道も慣れたものだ。ほどなくしてR1に復帰し、後は一路大阪を目指す。

久御山を過ぎ、木津川を渡った所で、前方にロード乗りが停車しているのに気づく。


  あれは・・・カレージャージ!


キャノボの盟友、As_LeRoiさんことあさぎりちゃんであった。迎撃するかも?という話は聞いていたけれど本当に来てくれるとは嬉しい。「しばらく前を引くよー」との事だったが・・・速いよ!!この期に及んで35km/hとか出ないから!「後ろ付いて下さい」ということで、自分が蓋をする。すみません、連続稼働時間が過去最長を更新してバテバテです。


7001.jpg



そして枚方市では、道路脇で犬速さんが待っていてくれた!カメラに手を向け一瞬だけれども挨拶を交わす。また力を頂いた。あさぎりちゃんとは守口あたりでお別れ。短い時間だったけれども、こちらも非常に力になった。


さて、ラスト20km。普通ならばそのまま直進し、蒲生四丁目の交差点を右折するのがキャノボの定石だ。しかし、今回は梅田新道到着前にやらねばならぬことがあった。荷物の受取である。

守口支店から転送してもらった先の大阪北郵便局は大阪駅の北側にある。通常ルートで行くと、梅田新道を通り過ぎた後に北上しなければならない。それでは距離が損だし、何より一旦梅田についたら着替えた上でしばらく休みたい。ならば、いつもとルートを変えて、大阪駅の北側から回りこんでみようと考えた。



守口市から大阪市に入ってすぐの今市交差点で右折し、中津方面へ走る。このルート、あさぎりちゃんはイマイチだと言っていたが、確かに信号の接続が異様に悪い。2回に1回は引っかかる。まるで銀座の信号だ。しかし予定からはもう既に3時間以上遅れている。ここで焦っても仕方ない。中津を抜けた所で地図を確認。しかし、目的地である郵便局と現在地点の間には大阪駅の貨物駅がある。ふと上を見上げると陸橋・・・これを渡れってか?550kmも走ってきて最後に担ぎで階段を上がることになるとは思わなかった。SPDで良かったかも。


中津の陸橋を降りると、やっと大阪北郵便局を発見!東京→大阪キャノボで荷物を受け取った思い出の郵便局だ。ゆうゆう窓口に行き、伝票を差し出す。

  「すいません、地下に荷物があるようなのでしばらくお待ち下さい」
  
と言われ、待つこと5分ほど。見覚えのある赤いリュックが現れた。良かった・・・コレがなければ帰りも同じウェアで走らねばならない所だった。教えてくれた犬速さんに改めて感謝する。


荷物を受け取ったら、ユルユルと福島の交差点を左折し、普段とは逆方向から梅田新道を目指す。時間は既に31時間30分を過ぎている。キャノンボーラーとしてはお笑いな数字だ。往復を意識するとこうなってしまうのだが。


7002.jpg



07:32、大阪・梅田新道に到着(548km地点)!31時間32分での片道クリア。目が死んでいるのが自分でも解るが、改めて写真を見たら本当に死んだ魚のような目をしていた。まぁそりゃそうなるわな・・・まだ半分なんだもの。

折り返し地点では、@cha_kazukiさん、@syokutwoさんが待っていて下さった。差し入れの補給食を頂く。ありがとうございます。


そして大阪市道路元標についたらやろうと思っていたことがあった。


7003.jpg


チャリで来た!!


7004.jpg


チャリで帰る!!


シンプルイズベストなネタだが、かなりRTされてニヤリ。



ともかく片道は終わった。残り半分。絶望感が両肩に重くのしかかった。
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群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

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【長距離自転車TT記録】
大阪→東京:23時間02分
東京→大阪:23時間18分
東京⇔大阪:67時間38分
青森→東京:36時間05分

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2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


拙著の「東京→大阪キャノンボール」レポート掲載。タイムテーブルや、戦略等を詳しく書いています。


シクロツーリストの田村編集長による長距離走行ガイド本。時短法やキャノンボール挑戦時のエピソードが掲載されています。

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