BRM509興津600 プロローグ

600kmブルベは苦手だ。

過去3回参加し、完走できたのは僅か1回だけ。失敗した2回の原因は以下である。


 ・群馬600安房峠
  →残り50kmでブルベカード紛失。認定外完走。
 ・たまがわ600木崎湖
  →スタートから大雨でやる気喪失。100kmリタイヤ。

  
「キャノンボールを達成していれば600kmなんて普通に完走出来るんじゃ?」と言われるが、話はそう単純ではない。キャノンボールとブルベでは決定的な違いがある。「走る日を選べないこと」である。

勝手なロングライドなら条件の良い日を選べばよいが、開催日時の決まったブルベではそうも行かない。そして600kmともなれば、ほぼ必ずどこかで雨が降る。それに獲得標高も多めに設定されているため、確実に睡眠を入れる必要がある。


 ・天気への備え
 ・睡魔への備え


 
こういった特有のノウハウが求められる。同じロングライドとは言え、キャノンボーラーが600kmブルベを完走できるとは限らないのだ。

-----

例年ならば、600kmブルベは避けている。SRは取れるなら欲しいものの、そこまでの拘りは無い。やはり苦手意識が先に立ってしまう。

しかし、今年は避けて通るわけには行かない。今年の目標である「PBP(パリ・ブレスト・パリ)出場のためには、当年のSR取得が条件となるからである。しかも、期限が厳しく、6月前半までには取得しなければならない。

最近は雨天走行にも慣れたとはいえ、出来れば雨の中は走りたくない。となると、梅雨に入る前の600kmブルベを狙う必要がある。しかし、5月は自転車イベント目白押し。既にエントリーしてしまったイベントが幾つもあり、出場出来そうなのは1つだけであった。


BRM509神奈川600興津。

従来は沼津出発だったが、諸般の事情により現在は興津の「駿河健康ランド」発着となっている。沼津時代のコースをほぼ踏襲しており、飯田線沿いに北上し、安曇野で折り返し、身延線で南下してスタートに戻ってくる600km。難易度はそこまで高くないとされ、人気のあるコースだ。


出来れば400km以上のブルベは家の近くから出発する「R東京」「AJたまがわ」のブルベで取得したいと考えていた。これはやはり睡眠時間確保の問題から。スタート地点が近ければ近いほど、直前まで寝ていられる。ゴール後もすぐに寝られるのは大きい。

今回エントリーした興津600は、家から150km以上離れた「駿河健康ランド」発着。スタート前は前泊出来るし、ゴール後は風呂+仮眠をしてから帰ることが出来る。移動費+宿泊費は痛いが、条件的にはかなり良い。

天気予報をこまめにチェックしつつ、久々の600kmブルベを迎えることになった。

(つづく)
にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

テーマ : 自転車(スポーツ用)
ジャンル : スポーツ

BRM509興津600 スタート前


前日は午後半休を取得し、東海道線で由比まで移動。健康ランドの最寄り駅は興津なのだが、あえての由比での下車。由比の雰囲気が好きなのだ。


由比駅前「あおぞら」の桜海老定食。この間までは1000円だったが、1300円に値上げされていた。桜海老高騰の影響だそうだ。味は相変わらず良い。


健康ランドに到着後、まずは自転車を駐輪場に預ける。駿河健康ランドには有料の駐輪場(1回210円)が存在する。安心して自転車をそのまま預けられるので、フロントで質問してみると良いと思う。写真は駐輪場の会員証。


今回は仮眠室ではなく、健康ランド併設のホテルを抑えた。風呂に入り、22時には就寝。本当は同じく前泊している人たちと話でもしたかったのだが、誰も捕まらなかったので不貞寝。

-----

当日朝4時半に起床。天気は曇り時々雨予報だったが、まだ雨は降っていないようだ。


ホテルをチェックアウトし、ブリーフィング会場である地下へ。駐輪場の自転車を取り出し、サドルバッグやトップチューブバッグの中身を整理する。


今回のブルベは荷物預かりサービスがあった。不要な荷物を預けられるのは非常にありがたい。


ほどなくしてブリーフィング開始。周囲にはAJたまがわ勢のアーツさん、K内さん、ぴかさん。興津600へは皆さん毎年参加されているようで、ファンの多いコースであることが窺い知れる。そして、あまりブルベのイメージの無い九尾さん(メイドさん学科)がスタート地点に居て驚く。

ブリーフィング後は外に移動。ここでは、ロングライダースの仲間である小姐さんに挨拶。600km初挑戦とのことだが、途中に宿などは取っていないらしい。大丈夫だろうか?

今回はブルベで初めてコース中に仮眠用のホテルを予約した。360km地点、塩尻のルートインである。ここ最近は睡眠の重要性を再認識しており、なるべく質の高い睡眠を取ろうと言う作戦だ。320km地点の伊那にホテルを取る人が多かったが、自分の走力を信じて塩尻に設定したのだった。


車検を終え、いよいよスタート。600kmの旅路の始まりだ。

(つづく)
にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

BRM509興津600 ①START:興津〜PC1:御前崎

スタートから清水駅前まではR1を行く。キャノンボールで慣れ親しんだ道だ。やたら飛ばす外国人の方が居たので、その後ろにくっつく。が、明らかにオーバーペースなので、背中を見送った。そういえば、確かAR日本橋の300kmブルベで会った人だ。ふぃりっぷさんと3人で走った覚えがある。

清水からはR150、通称「いちごライン」。強風が吹くことで有名な場所だが、この日は風も凪いでいた。TREK MADONEに乗る方と回しながら、32~3km/hで快走。

安倍川を越えたところで静岡方面に戻る。この後は御前崎に向かうので、本来ならば海沿いに行くのが望ましい。しかし、数年前の台風により、海沿いルートの大崩海岸が崩落。今なお復旧は未定のため、内陸側を通らなくてはいけないのだ。

見知ったR1に戻ったもつかの間、「道の駅 宇津ノ谷峠」から脇道に入る。キャノンボールでは宇津ノ谷トンネルを抜けるのが定石だが、今回は旧道で宇津ノ谷峠を抜ける。東海道は何度も走っているが、実は宇津ノ谷峠を走るのは初めて。静岡駅から数キロしか離れていないにもかかわらず、一気に山深い風景になって驚く。旧旧道もあるらしいので、機会があれば来てみたいものだ。

宇津ノ谷峠を越え、再び海沿いを目指す。焼津からR150に復帰し、御前崎方面へ。数年前、「サコライド御前崎」で通った道だ。大崩海岸が崩落してからは来ていなかったので、実に三年ぶりとなる。懐かしい。

駿河湾が見えてくれば、御前崎はもうすぐだ。

(つづく)
にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

BRM509興津600 ②PC1:御前崎〜PC2:引佐

9:02、PC1: セブンイレブン御前崎港店(80km地点)に到着。平坦かつ信号が少ないため、Ave26.6km/hという驚異的なペース。

そこまで疲れは無いので、休んでいる人たちを尻目にそそくさと買い物をしてコンビニを離脱。滞在時間は7分。今回も休憩を少なめにして「なるべく早く」完走を狙う構えだ。


御前崎から先は、進路を北へと変える。掛川は中心部しか走ったことが無かったので、のどかな風景に驚いた。しばらく走り、新東名高速と並行する道を走る。細かいアップダウンは連続するが、大して辛さは無い。この辺りはずっと、Raphaのウェアを来た二人組と前後しながら走っていた。


140km地点からは、今回ある意味核心部である天竜川越え。従来は天竜川のさらに上流にあった「原田橋」で天竜川を越えていたのだが、今年1月に土砂崩れの影響で橋が崩落。仕方なく、上野部の飛龍大橋を渡ることになった、ということである。

この回り道によって約4km伸びている上に獲得標高も増えているのは気になるところ。その分、宿に辿り着く時間が遅くなってしまうということだ。

小さなアップダウンをいくつも越えながら、PC2の引佐(いなさ)を目指した。


(つづく)
にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

テーマ : 自転車(スポーツ用)
ジャンル : スポーツ

BRM509興津600 ③PC2:引佐〜PC3:飯田

12:16、PC2: サークルK 引佐井伊谷店(160km地点)に到着。

ここまでAveは25km/h以上を維持。しかし、ここまで獲得標高は僅か700mほど。確か、このコースの合計獲得標高は5300mのはず。単純計算すれば、100kmで880m登る必要があるので、880*1.6=1400mほど登っている必要があるのだが、その半分しか登っていない。つまり、ここから先は今まで平地で楽をしてきたツケを払わなければならないということだ。

昼時を迎え、気温も上がってきたので長袖インナーを脱ぐ。曇っているのにこの暑さということは、快晴が予想される翌日の気温はもっと高いはず。先が思いやられる。

出発してしばらくすると愛知県に突入。そこからは飯田線に沿って標高を稼いでいく。飯田線は中々トリッキーな通し方をされており、いきなり頭上を線路が通ったりしているところもあった。

湯谷温泉のあたりで雨がパラつき始める。ヒルクライムの連続で体温が上がっていたので、体が冷えてありがたい。しかし、途中から雨脚が強くなってきたため、下半身のみレインウェアを着込む。上半身を着なかったのは、単純に暑かったため。せっかくなので、今回初導入したシャワーキャップをヘルメットに被せてみたが、これは失敗。頭が汗で水没してしまった。

いくつかの山を越えた所で、とあることに気付く。補給食が底を突いた。

そういえばキューシートに「この先40kmコンビ二なし」の記述があったことを思い出す。ちょっと前に見たサークルKがラストコンビ二だったらしい。何人かのランドヌールが休んでいたのはそういうことだったのか……と思うものの、時既に遅し。自動販売機などもなく、ただただカロリーだけが消費されていく。おまけにトイレも行きたくなってきた。


これはヤバい……と思った所に救いの手が。「道の駅 豊根グリーンポート宮島」だ! なんとか食べ物を買い、トイレに行って事なきを得る。この道の駅が無かったらハンガーノックで終わっていた。


ここからはいよいよ今回のブルベで最高標高の新野峠への登り。ここまでのアップダウンでかなり脚を削られており、苦しい。割と斜度もあり、苦しい時間が続く。幸いだったのは雨が止んだこと。路面も濡れておらず、峠から先のダウンヒルも問題は無さそうだ。


16:45、新野峠に到着!Garminの表示では標高1058m。海抜0mの駿河健康ランドからここまで上がってきたのだなーとしみじみ。


ここからは長めのダウンヒル。道が結構荒れてて気を使う。日が暮れていたらかなり怖かったはず。序盤頑張ったのは正解だった。


そろそろコンビ二があるかな?と思ったが、「道の駅 信州新野千石平」を過ぎてもコンビ二が現れない。手持ちの補給は相変わらず無いままなので、その先にあった個人商店でお菓子を購入。どこにでもあると思うな、自販機とコンビ二。

阿南町でもう一度上り返し。その上り返しのピークにサークルKを発見!45kmのコンビ二だ。迷わず入り、ガッツリと食事を食べる。補給食も大量に購入。これで一安心といったところ。やはり補給は過剰なくらい持っておかなければらないな、と反省した。


川路駅(270km地点)近くでは気になる看板を見かける。「5/11より全面通行止め(21:00~6:00)」という工事の予告だ。地図を見る限り、どうやら今回のルートと重なっている。


  「へぇ、明日から工事なのか……
良かった、一日ズレてたら危なかった」
  

と思ったが、ここで2週間後にも同じコースで興津600が行われることを思い出す。私がここを通過したのは18:30ごろだったが、21:00過ぎに通る人もいるはず。ゴール後にスタッフの方に伝えるため、記憶にとどめる。

飯田市で夕暮れ。一度目のナイトライドに突入した。恐らく今回は二度目のナイトライドは無いはずだが……どうなるかは解らない。


(つづく)
にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村
プロフィール

ばる

Author:ばる
群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

このブログへの感想・要望等のコメントはこちらの記事にお願いします。

【長距離自転車TT記録】
大阪→東京:23時間02分
東京→大阪:23時間18分
東京⇔大阪:67時間38分
青森→東京:36時間05分

カテゴリ
おすすめ書籍

2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


拙著の「東京→大阪キャノンボール」レポート掲載。タイムテーブルや、戦略等を詳しく書いています。


シクロツーリストの田村編集長による長距離走行ガイド本。時短法やキャノンボール挑戦時のエピソードが掲載されています。

Twitter
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
訪問者数
ランキング
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR