サコライド伊豆430 プロローグ

1月14日~15日に、変態自転車仲間と4人で「サコライド伊豆430」に参加してきました。

サコライドとは、下北沢にある自転車カフェ「サコッシュ」が主催する月替わりのロングライドイベント。今月のコースは下北沢発着で、伊豆半島一周の後に箱根を登るスーパー山岳コース。そしてレギュレーションは↓のような感じ。

  ・コース: 下北沢→伊豆半島一周→箱根→下北沢(430km)
  ・制限時間: 30時間
  ・チェックポイント: 全9カ所。写真を撮ってツイートすること。
  ・完走特典: 特製ベリーオレ!

参考URL: http://www.cafe-sacoche.com/saco%20ride/izu/saco-ride-izu.html


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発端は、gagazine記者のMiagiさんによるこのツイートでした。

  「30時間以内にカフェサコッシュをスタートして伊豆一周430キロ走って帰ってくるという企画。こ、これはいいネタ!!い、行くか!?」
  
概要ページを見てみると、予想以上にクレイジーな企画。クソ寒い中、丸一日以上掛けて走って貰えるのが、一杯の飲み物のみ!だが、こういう物にこそ燃えてしまう人種というのが確実に存在しているわけで・・・それが、今回の参加メンバー・変態約4名であります。簡単に紹介!


【登場人物】
・Miagi
 →ニュースサイトgagazine記者。クライマー。これまでの1日最高距離は280km。
・将軍
 →キャノンボーラー。オールラウンダー。俗に言うブルベ超人。大阪→東京 21時間55分。
・261
 →キャノンボーラー。クライマー。ぶっ飛んだ企画好きサイクリスト。東京→大阪 23時間00分。
・baru
 →キャノンボーラー。ルーラー。大阪→東京 23時間02分、東京→大阪 23時間18分。


Miagiさんはgagazineのネタとしてこの企画を見つけてきたようですが、私にとってはロングライダースのネタに最適。それに、キャノンボーラー同士がつるんで走る機会なんてなかなか無いわけで・・・燃えないわけがない!

かくしてトントン拍子に話は進み、当日を迎えたのでした。
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サコライド伊豆430 ①破滅に向かって~Advance to the fall~

サコッシュに到着して、まずは初対面のMiagiさんにご挨拶。しかし、明らかに軽装過ぎる。特にライト。自分が以前261さんと伊豆半島を回った時、ライト不足で大変怖い思いをした経験から「そんな装備で大丈夫か?」ってことで、予備のライト・PetzlのTikka XPをお貸しする。



午後4時2分。夕暮れ迫る下北沢の街を出発して、目指すは伊豆半島。ゆっくり走ればいいのに、予想通り千切り合い開始。特に将軍さんが先頭に出た時がヤバい。明らかに集団のスピードが3~4km/h上がってます。このまま大阪まで行くんじゃないか、って勢い。「今回のライド、最大の敵は寒さでも登りでもなく、将軍さんなんじゃね?」と、この時点で薄々勘付いていましたが、間違いではありませんでしたw

箱根駅伝やキャノボでお馴染み、海岸沿いのR134では261さんが先頭に出て40km/h以上で牽きまくる。「やっべー、気持ちいい!」などと意味不明な言葉を叫びだした時のこの人は無敵だ。

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あっという間にCP1の早川駅(エ○ゾじゃないよ)到着。早速写真を取って、@cafe_sacoche宛にメンションを送る。・・・結構面倒だな、コレ。ブルベよりも制限時間が多少ゆるい(Ave14.5km/hでOK)なのは、この辺りが理由なのかなーと思いました。


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さて、ここからは魔境・伊豆半島。といっても東伊豆はそれなりに町だったりします。全員がライトを一斉点灯し、謎の発光体と化しながらR135を一路南下していきます。

真鶴~湯河原~熱海まではなんだかんだ言って車も多くて路面の明るさには不自由しません。が、熱海を過ぎるとめっきり車も少なくなり、網代を過ぎると真っ暗に。そして宇佐美から現れる九十九折の下りでプチトラブル発生。

バックミラーを見ると、後ろにいたはずのMiagiさんが居ない。「もしかして・・・」と思って、信号でしばらく待っていると追い付いてきたMiagiさん。「すいません、暗くて前が全然見えなくて・・・」うーん、やっぱり。

真っ暗闇の下りカーブというのは、自転車に付けたライトだけでは乗りきれません。コーナーの出口が見えなければ安心してコーナーを曲がることはできないわけで・・・そうなると、自分の見ている方向を照らしてくれるヘルメットライト、それも相当明るいものが必要となります。今回、私はGENTOS HW-833XEを装備。200lmの明るさでコーナーも安心。若干重いのが難点ですが、頭の前にライト、後ろに電池ボックスが付くので前後のバランスが取れており、前傾姿勢もそんなに辛くありませんでした。

今回、急遽Miagiさんにお貸ししたPetzl Tikkaでは若干暗いかも・・・と思ってたのですが、やはり伊豆の夜には荷が勝ち過ぎていたようです。途中の電気屋ででも無理に調達するようアドバイスすべきだったかな、と反省。

しかしここで、伊豆を知り尽くした男・261さんがMiagiさんにあるものを差し出す。GENTOS 閃SG-329。スリムボディなのに最大200lmのニクい奴。ただし電池は4時間しか持たない。こういう風に互いをサポートできるのはチームライドの強みですね。そういえば今回のキャノンボーラーは全員GENTOSの閃をつけていました。ヘルメットライトも、4人中2人がGENTOS製品。「GENTOSルーメン」なんて言ってからかわれていますが、なんだかんだ言ってコストパフォーマンスは最高だと思います。ホームセンターやビッグカメラでも買えますしね。

・・・あ、ステマではないですよ?
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サコライド伊豆430 ②トラブル発生!

そんなわけで、更に明るい発光体と化した変態四人組が伊豆の夜を往く。

先頭は相変わらず将軍さんですが、登りでも全くペースが緩みません。やはりキャノボ史上3人しか居ない21時間代保持者はケタが違う・・・!しかもこれで乗ってるのが20万円もしないGIANT Defyだというのがまた怖い。やはり自転車はエンジンである。

時折、自分も前に出てペースを落ち着かせようと思うものの、先頭に出るとついつい頑張ってしまう。ロングライドなのに、登りの心拍数は170bpm。「こんな序盤で脚使ってどーすんだよ?ゴールは300km彼方だぜェ」と自嘲気味に坂を登っていると、後ろから


  「脚攣った!」


の声が。

声の主はMiagiさんでした。このペースはヤバいよな・・・と思っていた矢先の出来事。チーム内に緊張が走ります。幸い、軽い攣り方だったようで、塩飴+アミノバイタル+マッサージでなんとか回復した様子。良かった。ふと、261さんが空を見上げて「うぉっ、星が凄い!」と叫ぶ。つられて空を見ると、満天の星空が広がっていました。キャノボ中に鈴鹿峠で見た星空を思い出す光景。チーム内の緊張もいつの間にかほぐれていました。

とりあえず「将軍さんは暫く先頭禁止!」という理不尽な法案が可決され、ここからはペースを落として進むことになりました。


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野犬の鳴き声なんかも聞こえる一帯を越えて、CP2の城ヶ崎海岸駅に到着。ちょうど終電っぽい電車が来ており、駅員さんがいぶかしげに「乗るの?」と訪ねてくる。「いや、乗りません!ここがチェックポイントなので!」「はぁ・・・」何してんだコイツら?みたいな駅員さんの刺すような視線が忘れられません。


次のCP・石廊崎までは40km弱あるはずなのですが、正直記憶がほとんどありません。微妙に覚えてるのは、将軍さんの「いやー、新月じゃなくて良かったよ。前にブルベで走った時は真っ暗だったからね。今日は月が出てる分まだ明るい」という一言。今回のキューシートは将軍さんが作成してくださったのですが、その中でひときわ目を引いたのが「月齢」という項目。なんだコレ?と思ってたのですが、経験に基づく必須項目だったわけですね。こりゃー、ブルベ人じゃないと分からない。


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CP3・石廊崎には深夜1時到着。ランドマーク的なものが無かったので、土産物屋の看板を全員のライトで照射照射照射!(c筋肉少女帯)して撮影。そして、土産物屋から石廊崎の灯台までには平均斜度15%の激坂があるのですが・・・261さんがその坂を見てポツリ。

  「オレ、いつもはここ登るんだけど今日はどうしようかなぁ?」

どうぞご勝手にw
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サコライド伊豆430 ③秘境・西伊豆

東伊豆が「丘」ならば、西伊豆は「山」です。261さん曰く「西伊豆はドラクエ。町と町の間には何も無いw」一度町を離れたら最後、モンスターの出そうな山の中をひたすら登り下りするしかありません。しかも電車もバスも通ってないので逃げ道もなし。撤退不可の秘境ステージです。

以前、伊豆半島一周したときは昼間にもかかわらず「ここで何かあったらヤベーな」と思いましたが、夜の西伊豆は秘境感マシマシでした。


石廊崎を超えると、半島の西半分に入るわけですが、この時期は西風。海方向から容赦無く風が吹きつけてきます。空っ風の地・グンマー育ちの私にはそよ風同然なのですが、皆さん大分苦しそう。とりあえず、ディープリムに横風が吹くとフエのような音がすることを、僕は初めて知りました。フエラムネの原理と名付けよう。


石廊崎~松崎間の30kmには5つの丘と1つの山があります。東伊豆は比較的暖かかったのですが(8℃くらい)、西伊豆に来ると一気に気温は下がり0℃近くに。そして最も大きい山の下りは凍てつく寒さでした。正月太りでミートテックを大量装備してしまった私ですらこれだけ寒いのだから、体脂肪率10%前半であろう他の皆様はさぞ寒かったハズ。

ついには松崎2km手前で261さんが食事ストップを要求。どうやらハンガーノック一歩手前とのこと。週に2回伊豆半島一周をやったことのある男ですらこうなるとは・・・やはり冬の伊豆は半端ではなかった。

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山を下りきると、CP4・長八記念館。かじかむ手でサコッシュ宛てにツイートするも、サコッシュ店主から帰ってきたのは「皆が見られるようにハッシュタグを付けてね!」というお叱り(?)の言葉。「手が震えてハッシュタグなんて打ってられねーw」と総ツッコミが入りました。このツイートの面倒くささもサコライド伊豆の厳しさなのかも知れません。


あまりに体が冷え切ってしまったので、予定外のコンビニ休憩。全員が店内に入り、真っ先に手に取ったのは・・・

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カップヌードル!


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そして皆仲良く並んでいただきます!とりあえず、この時食べたカップヌードルは、人生で一番美味いカップヌードルだったと思う。
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サコライド伊豆430 ④眠気とのバトル&夜明け

松崎の町を抜けると、再びの山岳ステージ。何度かのアップダウンを越えた所で、集団に異常が発生しました。

アレだけ元気に先頭を引いていた将軍さんが遅れ始めている・・・!?そして、先程までハンガーノック寸前だった261さんも調子が悪そう。序盤の無理のツケが来たのかな?と思ったら、二人揃って、


   「眠い!」
   

雪山で「寝たら死ぬぞ!」という使い古されたシーンがありますが、どうやらアレは本当みたいです。原理は解りませんが、寒い→体温奪われる→体力消耗する→体が休息を求める・・・って感じなんでしょうか。そんな時、目の前に現れた1kmほどの黄金崎トンネル。中はほどよく暖かく、冷え切った体をつかの間癒してくれます。


  将軍「・・・ここ、寝られそうだよね。」
  261「・・・そうですね。」

  
  
!?

そう言うと、おもむろに歩道の凹んだ部分で寝始める二人。こ、これがブルベ人という奴なのか。バス停やコインランドリーで寝るという話は聞いていたが、トンネルは前代未聞。反応に困るシティボーイ(笑)約2名。「先に行ってていいよー」との事だったので、次のコンビニまで行って休んでいることにしました。


  baru「いやー、しかし本当にトンネルで寝るとはね・・・」
  Miagi「きっとオジサマ達は寝ないと持たないんですよ!!w」



などと返すMiagiさん。直後にクリート外れなくてMiagiさん立ちゴケ。オイオイ、人のことを言えないぞw

・・・むぅ、皆いい具合に限界に達してきているな。こんなこともあろうかと、スタート直前まで寝てた私はまだまだ冷静でした。まだスタートから13時間しか経っていないわけですが、真冬のロングライドというのは想像以上に体力を奪われるもののようです。

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しばらくして追い付いてきた2人と合流し、コンビニを出発しました。深夜に男4人で恋人岬の鐘を鳴らして虚しい気分を味わった後、CP5・土肥の花時計に到着。せっかくの花時計なのに全く何も見えない・・・。一山越えて、戸田の港でホットココアを飲みつつ休憩。またおもむろにベンチに横になる将軍さん。寝たら死ぬぞ!w

戸田の先には西伊豆最後の難関・井田の登りが待っています。ココら辺は10%は当たり前、時折14%にもなる激坂が出てくるかなり辛ーい区間。スタートから17時間、さすがに私も眠くなってきました。でも休めるようなファミレスやイートイン付きのコンビニなど、西伊豆にあるわけもなく・・・ひたすらペダルを回し続けます。

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出逢い岬で完全に夜明け。天気は快晴でした。こりゃー箱根は放射冷却で極寒だなぁ・・・と若干頭に嫌な予感が過ぎりましたが、気にしないことにしました。ここまで来たらどんなに過酷でも関係ない!


そしてラストの井田トンネルへの登りで、またしても集団に異変が。一番ロングライド経験が少ないはずのMiagiさんが下ハンドルを持って加速。そのままトップに躍り出て先頭を引き始めるどころか、一人逃げ開始。彼の中で何かが覚醒したんでしょうか。きっと、サイヤ人は死にかけたところから復活するとパワーアップするっていうアレですね。エクストリームロングライドは人を急成長させるようです。


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Miagiさんが先頭のまま、CP6・三津シーパラダイス前に到着。「これで"みと"って読むんだ」と、地元261さんの解説。神奈川県民的にはシーパラダイスといえば「八景島」なんですが、三津の方が元祖みたいですね。というより、経営母体は同じ系列水族館らしいです。ここでも、オープン準備をしている水族館従業員の皆様の「なんだコイツら?」的な視線を頂きました。我々にはご褒美です。

考えてみればトンネル後のコンビニからノー補給で来たので、すっかり空腹。久々に現れたセブンイレブンで休憩タイム。ハンバーガーを頬張っていると、足元に近づいてくる影。

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前回伊豆半島一周した際に出会ったにゃんこ。相変わらず太ってんなー。完全にこのコンビニの招き猫となっているようです。


ここまで来れば伊豆半島も残り僅か。ショートカットして三島に行きたい気持ちをグっと抑えて、規定ルート通り沼津の街中を目指します。狩野川に掛かる三園橋を越えると、そこは東海道。慣れ親しんだキャノボルート復帰で、テンションの上がる一行。ただし、ここで一人だけブルーになってる人が。

  「すぐそこ、勤め先なんだよね・・・」
  「ここからあと5分で家なんだけどw」


三島在住の261さんである。彼はキャノボでは、東京→大阪は経験済みですが、大阪→東京の経験は無し。東京→大阪キャノボの時は序盤で家の前を通り過ぎるわけですが・・・今回は300km走ってから家を通り過ぎることになります。ゴールが自宅ではないロングライドではよくあることなんですが、この状況で家の前を通り過ぎるのは辛いだろうなぁ。まぁ、いずれ大阪→東京キャノボをやる時のためのシミュレーションと思ってくださいませませ。


待ち受ける箱根の登りに備えて、三島デニーズで大休憩。皆でモーニングセットを食べた後は机に突っ伏して睡眠タイム。実は、ロングライドの途中で仮眠するのはこれが生まれて初めてです。人間、疲れているとどこででも寝られるものなんだなーと。寝ると再起動が大変かな、と思ってたんですがそれほどでもなかったのは新発見でした。しかし、小汚い男4人が椅子で爆睡する様はさぞ滑稽であったことでしょう。
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プロフィール

ばる

Author:ばる
群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

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【長距離自転車TT記録】
大阪→東京:23時間02分
東京→大阪:23時間18分
東京⇔大阪:67時間38分
青森→東京:36時間05分

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2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


拙著の「東京→大阪キャノンボール」レポート掲載。タイムテーブルや、戦略等を詳しく書いています。


シクロツーリストの田村編集長による長距離走行ガイド本。時短法やキャノンボール挑戦時のエピソードが掲載されています。

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